地図を本格的に学ぶためには、データと尺度との関係についても学習する必要があります。データは2つに大別することができます。いわゆる定量データと定性データです。しかし両者はさらに下位分類することができ、計測水準別に分けると、4つの尺度が浮かび上がります。それが、名目尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度です。それぞれについて詳しく述べていくことにしましょう。
まず名目尺度ですが、これは定性データに用います。目的は分類、命名することであり、例えば都市を城下町、下町、加えて港町に分けることができれば、名目尺度が機能していることになります。次に順序尺度ですが、こちらも定性データに用います。名目尺度との違いは、データが何らかの基準で順序付けられるという点です。例えば、都市を大都市、中都市、小都市に分けた時、大きさで順序が成立しています。三つ目に間隔尺度ですが、こちらは定量データに用います。目的は目盛付けであり、気温等のデータが対応しています。間隔尺度が扱うデータの特徴は、原点が任意に設定できる点です。原点を適当に定めても、間隔さえ狂わなければ、データの本質は揺るぎません。気温の例でいえば、「ある地点間で3度の差がある」と読み取った時、原点を問題にしていないことが分かるでしょう。また、定性データと異なり、平均、標準偏差の算出に対応しています。最後に「比率尺度」を見ることにしましょう。こちらは定量データに用います。間隔尺度との違いは、そのデータが加減乗除に対応していることです。つまりあらゆる統計量算出を可能にするのです。何故それが可能かと言えば、間隔尺度とは異なり、原点が定まっているからです。